We Explore Time
「時間とはなにか?」
先史時代から現代に至るまで様々な文明や民族は「時間とはなにか」と問い掛け続けてきました。人類に時間の意識が生まれた頃から、時間は動き始め、この先の未来の人類も時間について更なる思索を続けていくでしょう。時間は「いま」をつくっています。そして眼を前に向けると、時間はその先の、未知なる未来へと開かれているのです。
20世紀は成長の時代でした。技術の革新により、先の更にその先を目指し、地球を飛び出し、人類は月面にまで到達しました。未知なる世界を求め、膨大なエネルギーを注ぐことによって突き進むことが発展であり、古きものを捨て、新しいものを手に入れることが、進化と成長の原動力となりました。しかしそこには限界がありました。進化を遂げ、成長を続けたことで、私たちが暮らす地球という有限の環境がきしみだしたのです。私たちには未知なる未来がありますが、地球の環境は有限です。これからの未来への道筋は21世紀の市民の歩みに託されているのです。
We Explore Time — Baselworld 2019のシチズンウオッチグループのブースでは、未知なる時間の探求を続けるCITIZENによる最新の腕時計が展示されます。「光を時間に変える= LIGHT is TIME」のインスタレーションが同心円状に広がる中央のアリーナでは、幾重にも重なる光の輝きの中で、来場者はその空間と時間を探索することが出来ます。その光の道筋が、未来の時間を垣間見る体験へと繋がればと願っています。
これからの未来のために、私たちは21世紀の時間を探求し続けるのです。
田根 剛
Atelier Tsuyoshi Tane Architects
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田根 剛(たね・つよし)
Pavillion Architect
建築家。1979年東京生まれ。ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTSを設立、フランス・パリを拠点に活動。2006年にエストニア国立博物館の国際設計競技に優勝し、10年の歳月をかけて2016年秋に開館。場所の記憶から建築をつくる「Archaeology of the Future」をコンセプトに、現在ヨーロッパと日本を中心に世界各地で多数のプロジェクトが進行中。主な作品に『エストニア国立博物館』(2016)、『新国立競技場基本構想国際デザイン競技案・古墳スタジアム』(2012)、『Todoroki House in Valley』(2018)、『LIGHT is TIME』(2014)など。フランス文化庁新進建築家賞、フランス国外建築賞グランプリ、ミース・ファン・デル・ローエ欧州賞2017ノミネート、第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞など多数受賞 。2012年よりコロンビア大学GSAPPで教鞭をとる。
http://at-ta.fr/ -
遠藤 豊(えんどう・ゆたか)
Production Design
LUFTZUG代表/アートディレクター/プロデューサー/テクニカルディレクター。1977年新潟生まれ。舞台芸術から派生し、音楽、映像、デザイン、テクノロジーほか領域を問わず関係性を構築する。2005年有限会社ルフトツークを東京に、2012年LUFTZUG EUROPE、2018年Lugtjeをアムステルダムに設立。曖昧なメディアの媒介として役割を確立しようと活動を広める。人と感覚の交流、感覚の遍在化を目指し国内外で積極的に活動を行う。CITIZEN『LIGHT is TIME』(2014ミラノ、東京)、建築家フランク・ゲーリー展『I Have an Idea』(2015東京)、向井山朋子『La Mode』(2016台中)『HOME』(2016)『GAKA』(2018テルシュヘリング、高知、神津島)他、演出・プロダクション制作などに携わる。
http://www.luftzug.net/